AIに選ばれる人になるための、情報公開術
ChatGPTに、
「〇〇について詳しい人を教えて」
と聞いたとき、自分の名前が出てきてほしくないですか?
これからは、こういう時代が来ると思っています。
人間がGoogleで検索して、何十個ものサイトを見比べる。
その前に、AIが候補を絞り込んでしまう。
「この人がおすすめです」
「この会社が向いています」
そんなふうに、AIが最初の推薦をするようになる。
前回の記事では、「検索で見つかる」から「AIに選ばれる」へ、発信戦略そのものが変わっていくという話を書きました。
今回は、もっと具体的な話です。
個人がAIに理解してもらうために、今から何を公開しておけばいいのか。
答えは、難しいSEOテクニックではありません。
自分が何者なのか。何ができるのか。誰の役に立てるのか。そして、何ができないのか。
これをネット上にちゃんと残しておくことです。
まず、「何屋なのか」を明確にする
これは当たり前のようで、できていない人がめちゃくちゃ多いです。
プロフィールを見ても、
「マーケティングをしています」
「AIについて発信しています」
「起業を支援しています」
くらいしか書いていない。これでは、人間にもAIにも判断しづらいです。
もう少し具体的にしてみます。
「中小企業向けに、生成AIを使った業務効率化を支援しています」
「Substackを使って、個人の専門家が読者リストを作る方法を教えています」
「EC事業者向けに、広告費を抑えながらリピート購入を増やすマーケティングを支援しています」
このくらいまで書く。「何をしている人なのか」が一文で分かる状態を作っておく。これが最初のステップです。
次に、「誰に向いているのか」を書く
ここも重要です。
実は、得意なことだけを書くより、「誰に向いているのか」まで書いたほうが、あなたの専門性は伝わりやすくなります。
たとえば、
「AIコンサルタントです」
だけでは弱い。
「社員数10〜50人くらいの会社で、AIを導入したいけれど何から始めればいいか分からない経営者向けに支援しています」
まで書く。これなら、かなり具体的です。
さらに、
「逆に、大企業向けの大規模なシステム開発は受けていません」
まで書いてもいい。これ、かなり大事です。
自分の得意分野だけではなく、不得意な領域まで公開する。すると、あなたがどんな仕事に向いているのかが、より明確になります。
実績は「すごい」ではなく数字で書く
「豊富な実績があります」
「多数の企業を支援しています」
「業界トップクラスです」
こういう自己PRは、もう弱いです。人間が読んでも弱い。AIにとっては、もっと扱いづらい。
だったら数字で書けばいい。
「2024年から50社以上を支援」
「月間100万PVのメディアを運営」
「広告費500万円で、売上1500万円を達成」
「これまでに300人以上の受講生をサポート」
このほうが圧倒的に分かりやすいです。
もちろん、数字に嘘を書いてはいけません。盛る必要もありません。小さな実績でも、具体的に書く。これだけで情報の価値が変わります。
「どんな仕事をしたのか」を残す
実績だけでも、まだ足りません。
できれば、「どんな課題に対して、何をして、どうなったのか」まで公開しておきたい。いわゆる事例です。
たとえば、
「飲食店のInstagramを運用しました」
ではなく、
「月間フォロワー増加数が300人程度だった飲食店に対して、投稿テーマを『料理写真中心』から『店主のストーリー中心』に変更しました。3ヶ月後には月間フォロワー増加数が1200人まで伸びました」
くらいまで書く。これなら、あなたが何をできる人なのかが具体的に分かります。
こういう事例を10本、20本と残していく。これが、ものすごく強い資産になります。
「自分の判断基準」を公開する
個人的には、ここが一番重要だと思っています。
AIが記事を要約するだけなら、誰でも似たような情報を出せます。
でも、「ぼくはこういう場合には、この施策をやりません」という判断基準は、その人の経験からしか出てきません。
たとえば、
「フォロワーを増やすことだけを目的にしたSNS運用はおすすめしていません」
「広告を出す前に、まず商品そのものを改善します」
「AIで記事を量産するより、自分の失敗談を1本書くほうが長期的には価値があると考えています」
こういう文章を残しておく。これは単なるプロフィールではありません。あなたの思想です。発信を続けるほど、この思想が蓄積されていきます。
「失敗したこと」も公開する
ここも重要です。
実績だけを並べると、ただの営業資料になります。
でも、
「この施策は失敗しました」
「100万円使ったけれど成果が出ませんでした」
「最初はこう考えていたけれど、途中で考え方を変えました」
という情報が入ると、一気にリアリティが出ます。
そして、こういう一次情報は他の人には書けません。あなたが実際に経験したから書ける。AIがネット上の情報をまとめる時代になればなるほど、こうした一次情報の価値は上がっていくと思っています。
料金も、できる範囲も公開する
意外と書かれていないのが料金です。もちろん、仕事によっては公開できないでしょう。
それでも、
「初回相談は無料」
「コンサルティングは月額10万円から」
「記事制作は1本5万円から」
など、公開できる範囲で書いておく。
さらに、
「月2回のミーティングまで」
「記事の企画から入稿まで」
「広告運用そのものは対応していません」
というように、サービスの範囲も明確にする。これだけでも、誰に向いているサービスなのかが分かります。
プロフィールだけに全部詰め込まない
ここまで読んで、「プロフィールページをめちゃくちゃ詳しくすればいいのか」と思うかもしれません。
違います。むしろ、情報をいろいろな場所に分散して残しておくことが重要です。
プロフィール。実績ページ。サービスページ。事例記事。インタビュー。SNS。Substack。ポッドキャスト。YouTube。
こうした場所で、同じ人物について一貫した情報が積み上がっていく。
「この人はAIマーケティングの専門家だ」
「この人は中小企業向けに仕事をしている」
「こういう実績がある」
という情報が、いろいろな場所から確認できる状態です。
ここまでやると、単なるプロフィールではなく、「自分自身のデータベース」のようなものができてきます。
だから、今からやることはシンプルです
自分について、次の情報を公開してみてください。
何をしている人なのか。誰の役に立てるのか。誰には向いていないのか。具体的にどんな実績があるのか。どんな仕事をしてきたのか。どんな失敗をしてきたのか。何を大切にして仕事をしているのか。何ができて、何ができないのか。料金はいくらなのか。サービスの範囲はどこまでなのか。
これを、一度に全部書く必要はありません。記事を1本書くたびに、少しずつ残していけばいいです。
「AIに選ばれるため」に発信する必要はない
最後に、ここは誤解しないでほしいところです。
AIに推薦されるためだけに、情報発信を始める必要はありません。そんなことを考えて文章を書くと、たぶんつまらなくなります。
大切なのは、「自分が何者なのかを、ネット上にちゃんと残しておく」ということです。
その結果として、人間にも見つかる。検索にも引っかかる。AIにも理解される。そういう状態を作っていく。
ぼくは、これからの個人の発信はこうなっていくと思っています。
SNSで一瞬だけ目立つことよりも、自分についての情報を10年、20年と積み上げていく。その情報を読者が読み、顧客が読み、そしてAIも参照する。そうなれば、あなたの発信そのものが営業資産になります。
AIに推薦される人になろう。
というより、
「推薦されてもおかしくないだけの情報を、ネット上に残しておこう」
ということです。
これなら、今日から始められます。
まずはプロフィールを開いてください。そして、
「このページを初めて読んだAIが、ぼくのことを正確に説明できるだろうか?」
と考えてみてください。
もし説明できないなら、まだ情報が足りません。そこから始めればいいです。
こういうAI時代のマーケティングや発信戦略について、Substackで引き続き書いていきます。
AIに仕事を奪われる側ではなく、AI時代にも選ばれる個人や会社を作りたい人は、ぜひ登録しておいてください。
ここからは、「AIに理解されるプロフィールの作り方」について、さらに具体的に掘り下げていきます。
AIは、プロフィールを「文章」ではなく「情報の塊」として読む
人間がプロフィールを読むとき、なんとなく雰囲気で理解します。
「感じのいい人だな」
「信頼できそうだな」
という空気で判断する部分が大きい。
でも、AIはそうは読みません。
AIは、文章の中から「事実」を一つひとつ拾い出して、構造化しようとします。
つまり、
・この人は誰か(名前・肩書き)
・何をしている人か(職業・専門領域)
・どんな実績があるか(数字・事例)
・誰の役に立つか(対象・課題)
・何を大切にしているか(価値観・判断基準)
これらを、文章の中から機械的に抜き出そうとしている。
だから、雰囲気で書かれた美文よりも、事実がはっきり書かれた文章のほうが、AIには「理解しやすい」プロフィールになります。
一文一事実の原則
これが、AIに理解されるプロフィールを書くうえで、いちばん大事な原則だと思っています。
一つの文章に、一つの事実だけを入れる。
たとえば、
「大学卒業後、大手企業でマーケティングを経験しながら、独立してからはWebコンサルティングやSNS運用代行、コンテンツ制作など幅広く手がけ、多くのクライアントから信頼をいただいています」
これは、人間が読めば流れるように読めます。
でも、AIにとっては情報が渋滞している文章です。
これを分解します。
「大学卒業後、大手企業でマーケティングを経験しました」
「その後、独立してWebコンサルティングを始めました」
「現在は、中小企業向けのSNS運用代行を専門にしています」
「これまでに50社以上を支援してきました」
一文一事実にすると、読みにくく見えるかもしれません。
でも、これがAIにとっては圧倒的に「拾いやすい」文章になります。
そして実は、人間にとっても、読み飛ばしやすく、スキャンしやすい文章になります。
「肩書き」より「役割」を書く
もう一つ重要なのが、肩書きだけに頼らないことです。
「マーケティングコンサルタント」
「Webライター」
「フリーランス」
これらの肩書きは、業界によって定義がバラバラです。
同じ「マーケティングコンサルタント」でも、やっていることが全然違う人がたくさんいます。
だから、肩書きの下に、必ず「何をしているか」という役割を書く。
「マーケティングコンサルタントとして、月商100万円未満のEC事業者に対して、広告費を使わない集客戦略を設計しています」
肩書きだけでは伝わらない情報を、役割の説明で補う。
これをやると、AIは「この人が何者か」をかなり正確に理解できるようになります。
FAQ形式を、プロフィールの中に忍ばせる
これは、AEO(Answer Engine Optimization)の観点からも効果的だと思っている方法です。
プロフィールの中に、質問と回答の形式を混ぜ込む。
たとえば、
「どんな相談が多いですか?」
「AIツールを導入したいけれど、何から手をつければいいか分からないという相談が一番多いです」
「対応できないことはありますか?」
「大規模なシステム開発や、法律に関わる契約書のレビューは対応していません」
こういうQ&A形式の文章は、実は検索エンジンにも、AIにも、非常に「答えを抽出しやすい」構造です。
なぜなら、質問と回答がセットになっているからです。
AIが誰かに「この人はどんな相談に強いですか」と聞かれたとき、あなたのプロフィールの中にすでに、その質問に対する答えがそのままの形で存在している。
これは、AIにとって最も引用しやすい情報の形です。
更新日と一次情報を明示する
もう一つ、地味だけれど効果的なのが、情報の「鮮度」を示すことです。
「2026年8月時点の情報です」
「本記事は2026年に執筆・更新しています」
こうした一文を入れておくだけで、AIはその情報がどれくらい新しいかを判断しやすくなります。
さらに、
「この実績は、〇〇社様との契約に基づくものです」
「詳細な事例はこちらのnoteで公開しています」
というように、一次情報へのリンクや裏付けを添えておく。
AIは、裏付けのある情報を優先的に参照する傾向があります。
出典が曖昧な情報より、根拠がはっきりしている情報のほうが、推薦されやすくなっていく。これは今後、ますます強まっていく傾向だと考えています。
プロフィールは「一度書いて終わり」ではない
最後にもう一つ。
プロフィールは、一度書いたら放置しがちなページです。
でも、実績が増えるたびに、事例が増えるたびに、判断基準が変わるたびに、更新していくべき「生きたページ」だと捉えたほうがいい。
3ヶ月に1回でもいいので、見直す。
新しい実績を数字で追加する。
考え方が変わった部分があれば、書き換える。
これを続けていくと、プロフィールそのものが、あなたの成長記録になっていきます。
そして、その記録がそのまま、AIにとっての「信頼できる一次情報」として蓄積されていく。
これが、AI時代のプロフィールの育て方だと思っています。
次回は、事例記事そのものの書き方について、もう少し掘り下げていく予定です。



